前回、特許の新規性の喪失についてお伝えいたしました。
今回は、特許を取得するための補助金についてです。国内・海外に関係なく、特許取得にはそれなりの金額がかかります。そのお金を助成・補助してくれる制度がありますので、利用しない手はないです。その補助金について、どのような種類があるのか、紹介いたします。
この内容を最後までご覧いただけましたら、国、各地域で助成金制度があることがわかります。
まず特許、いわゆる知的財産権といわれるものの種類はこのようになっています。
(1)産業財産権(工業所有権)
この権利は工業的なものを保護し、手続きが必要です。
①特許法(発明)
もの・方法の発明を保護するものです。
権利期間:出願日から20年。医薬品の一部の分野等では
延長登録出願で5年を限度として存続期間を延長できます。
②実用新案法(考案)
物品の形状・構造・組み合わせの考案を保護するものです。
権利期間:出願日から10年。
③意匠法(デザイン)
物品の形状・模様・色彩などのデザインを保護するものです。
権利期間:登録日から20年。
④商標法(ネーミング、サービスマーク)
文字・図名・記号・立体的形状の商標を保護するものです。
権利期間:登録日から10年。
更新登録願が受け付けられ、何度でも期間更新が可能です。
そのことから、商標権は永久権と言われます。
この①~④に対して、それぞれ補助金が存在します。そして、特許を取得するのは国内か海外かで補助金も変わってきます。順番にみていきましょう。
1.国内特許①~④
国内限定の知的財産権についての助成金・補助金は全国各地であります。その調べ方ですが、
(1)専門家に相談する
これが一番早くて正しいのですが、専門家ごとによって対応がいい・悪いがあるのも事実です。数カ所相談をしてから比較して、自分とインスピレーションが合うところと契約することをおすすめします。
(2)自分で調べる
ネットで検索するのが早いです。その検索場所の一例をご紹介します。
・ミラサポ(中小企業庁)
中小企業・小規模事業者向けの 補助金・助成金について、関係する補助金を検索できるサイトです。ここから、各地域での補助金サイトを表示してくれて、たどり着けると思います。
しかし、表示されるのは検索した時に開催されているものだけなので、来年度計画的に申請準備をしたい場合などは別途情報収集が必要です。
・特許料等の減免制度(特許庁)
申請料金などの減免制度についての内容がかかれています。
・知的財産権取得費補助(各地域)
直接「自分の地域名」と「特許」「補助金」と検索すれば、おおよそ見つかります。主催場所が地域によって異なりますので、ややこしいですがそこから調べる方法がはやいと思います。
2.海外特許①~④
海外での知的財産権を取得したい場合の助成金・補助金についてはたくさんありますので、一例としてご紹介致します。
(1)中小企業等海外出願・侵害対策支援事業費補助金(特許庁)
「おしながき」としてパンフレットが掲載されていて、内容がわかりやすく載っています。その内容にあわせて申請するところまでたどり着けます。
(2)外国出願費用の助成(中小企業等外国出願支援事業)
(日本貿易振興機構:JETRO)
ここが窓口となり、外国出願の補助申請ができます。
(3)外国出願費用補助(東京都中小企業振興公社)
ここが窓口となり、外国出願の補助申請ができます。
このように、国内・海外へ知的財産権を申請・取得する場合の補助金の窓口をご紹介しました。次回、この補助金の申請時期やタイミングについて詳しくご紹介していきます。