今回は、前回の続きで、
SONY WH-1000Xm3 ノイズキャンセリング機能(以降 NC と記載します)
を丸はだかにしていきます。
測定したデータを比較して、どの周波数帯でNCが介入しているのか、
見ていきたいと思います。
測定結果(振り返り)
測定環境
※①~③いずれも、緑色のグラフはリアルタイム値なので、無視します。
結果分析
1.①②③比較
①~③グラフのピーク値を同時比較するために、測定値を色分けいたします。
O ① ヘッドホン無し ② ヘッドホン(WH-1000Xm3)NC-OFF ③ ヘッドホン(WH-1000Xm3)NC-ON O |
測定周波数を色分けして、①~③のデータを同一表示させます。
グラフの見方としては、
縦軸(-160dBから0dB)において上に行くほど騒音レベルが高い事を示します。
横軸(20Hzから24kHz)において右に行くほど周波数が高い(高音域)事を示します。
※横軸は対数表示です。
※測定結果は、騒音のピークレベル値です。
3つを比較すると、騒音環境下において、
ヘッドホン無し(①)状態が一番雑音が多い事がわかります。
2kHzから24kHz間にいくつも騒音の大きな山がありますが、
電車が通る時に発する車輪と線路の摩擦音など
「キー、ゴトゴト、ガタンガタン、シャー」
と表現される音が山として記録されています。
感覚としては、
「うるさいなぁ」
と感じるレベルと思って頂ければと思います。
ヘッドホン着 NC-ON(③)にすると、
①から大きく騒音が減少していることが見てわかります。
2.①②比較
騒音環境において、
単純にオーバーイヤー型ヘッドホンを装着した時(NC-OFF)に、
騒音がどの程度抑えられるかを示した比較グラフです。
これは、オーバーイヤー型のメリットが明確に現れているといえます。
ほとんどの音域で騒音がカットされており、
着けるだけでも 耳に優しい という事が言えるでしょう。
3.②③比較
さらに、
SONY WH-1000Xm3の最大の機能である、
ノイズキャンセリング機能をONにすると、
どのように変化するのかがわかります。
ここで、
このヘッドホンをユーザーがどのような目的で使うのか
という事を考えた場合、
「音楽を聞くため」
という事が主な目的と言えます。
4.音楽範囲
人間の耳という感覚器官が聞き取ることができる周波数域は
限られていることを話しましたが、
その中でも、「音楽範囲」という範囲が存在しています。
これは、約40Hz~約15kHzと言われています。
測定グラフの範囲を見てみます。
黄色ラインで示した範囲が音楽範囲です。
このSONY のヘッドホンはこの音域を中心に、
ノイズキャンセリングが効くような仕様になっていると考えます。
5.ノイズキャンセリング見える化
それでは、②と③の差分(NCの効き具合)を見える化します。
このように、NCの効いている部分をピンク色で示しました。
傾向としては、
いわゆる、「ゴー」と低く唸るような騒音を大きくカットされており、
これが、自然な無音を目指す結果になっているのでしょうか。
電車通過時の、中間音域雑音の瞬間風速的雑音が上手くカットされていると思います。
いわゆる聞こえない部分のノイズキャンセルにあまり意味はなく、
BATT消耗を極限まで抑える意味でも、範囲を必要最小限に留めながら、
機能を最大化させる事に成功しているように思います。
感 想
SONY WH-1000Xm3 を丸はだかにしてきましたが、
オーバーイヤー型ヘッドホンは騒音をカットしやすい構造である上に、
NC-ONにする事で、より、静寂性を得ることができ、
向上した音質で、より、快適に音楽を楽しむことができる!
調べてみて、より好きになりました!
ずっと使いたいので、
大切に扱っていこうと思います。
次回からは、
ようやくヘッドホンカバー分析に移ります。
この「完璧なヘッドホンの唯一の弱点」
を考察していこうと思います!
お楽しみに!
つぎを読む)SONY WH-1000Xm3 ノイズキャンセリング機能を丸はだかにする!(3)
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