気になるヘッドホンや、おすすめヘッドホンを
可聴域の周波数を計測して、「どのような特性があるのか」を
目で見てわかりやすいように、グラフにして
「見える化」していく企画4回目です!
いろんなヘッドホンの「見える化された音質」を比較して、
自分がヘッドホンを購入するときの
ひとつの判断材料になれば幸いです。
今回は、
「 ATH-W10VTG 」と「 SONY MDR-1R 」の
2つのヘッドホンで、
「それぞれ音質にどのような特徴」があって、
「どのような違い」があるのか、
比較していきましょう!
ATH-W10VTG の音質
ATH-W10VTG | |
価格(中古) | ¥15,000~¥19,800 |
形状 | オーバーイヤー型 |
接続方法 | 有線 |
ハイレゾ | – |
ノイズキャンセリング機能 | – |
連続再生時間(NC-OFF) | – |
連続再生時間(NC-ON) | – |
重量 | 370g |
このモデルは当時新品で39,980円でした。
解像度が高くとても聴きやすいのと、
桜の木のハウジングが美しいので、
何度か純正パッドを交換しながら使ってます。
では、このヘッドホンに指定音源で
一定・同一条件下で測定します。
※測定方法は最後に記載しておきます。
測定結果(加工なし)
詳細を確認する場合はこれでも良いのですが、
わかりやすくするために、
スムージングしておきましょう。
測定結果(スムージング)
わかりやすくなりました。
これで比較していきたいと思います。
次は、
SONY MDR-1R の音質
SONY MDR-1R 通常モデル | |
価格 | ¥16,280 |
形状 | オーバーイヤー型 |
接続方法 | 有線 |
ハイレゾ | ○ |
ノイズキャンセリング機能 | × |
連続再生時間(NC-OFF) | – |
連続再生時間(NC-ON) | – |
重量 | 240g |
比較対象が有線どうし、
2つにどのような違いが見えるのか楽しみです!
これも、同じ条件で測定します。
測定結果(加工なし)
同じように、わかりやすくするために、
スムージングしておきましょう。
測定結果(スムージング)
メーカーが異なる2つの
ヘッドホンを比較すると、
音質にどのような違いがでるのでしょうか。
音質・データ比較
比較するとこのようになります。
可聴域で音域をわけると、
音域別に比較していくと、
ヘッドホンの性格がわかりやすくなります。
①低音域
この2つの特性は非常に似通っているのが
わかると思います。
若干「ATH-W10VTG」のほうが、
音の粒を拾っている感があります。
②中音域
こちらは、違いがでています。
「ATH-W10VTG」のほうが、
250Hz~700Hz間の音圧が高く、
艶っぽく聞きやすくなっています。
これは50音でいうと、
「あ」行や「ら」行が聞きやすく、
映画などのセリフやボーカルに向いているといえます。
③高音域
高音については、
若干「MDR-1R」のほうが、
3kHz、4kHzあたりが際立っています。
繊細な音が聞き取りやすくなっています。
どのような違いがあるか
ATH-W10VTG と SONY MDR-1RmkI について
今回、「audio-technica」と「SONY」の別メーカーの
ヘッドホンを比較してみました。
1996年製品の「ATH-W10VTG」の24年前のものに対して、
2012年製品の「MDR-1R」の8年前のものですが、
どちらも古いのですが、生まれ年に約3倍も差がある
古いヘッドホンでも、十分現役で使えることが、
しっかりとした作りであることを
証明しているといえます。
項目 | ATH-W10TVG | SONY MDR-1RmkI |
駆動方式 | ダイナミック型 | ダイナミック型 |
インピーダンス | 48Ω | 24Ω |
音圧感度 | 100dB | 105dB |
再生周波数帯域 | 5Hz~30kHz | 4Hz~80kHz |
ドライバサイズ | 53mm | 40mm |
スペックを比較しても、
「MDR-1R」のほうが、高音域まで対応
していて、全体的に聴きやすいヘッドホンです。
対して、
「ATH-W10VTG」は中音域が豊かなので、
艶っぽくメリハリがあるヘッドホンになっています。
24年経ってもまだ現役なので、
大切に使っていきたいと思います。
これはあくまで私個人の感想なので、
感じ方はそれぞれ異なります。
今回の測定データを見ながら、
ヘッドホンを買うときの参考になれば幸いです。
それでは、よいヘッドホンライフを!
測定方法
バイノーラルマイク(Roland バイノーラルマイク CS-10EM)
とダミーヘッドを使って、可聴域周波数を測定します。
使用音源
The Romantic SAX Masashi OHSIRO ドビッシー:
亜麻色の髪の乙女(DSD)
測定環境
無音質でスペクトラムツールで測定
測定条件
音圧を同一設定で、測定単位はSPLとする